TMS 東京映画映像学校

スマホでもOK。初めての映画の作り方【企画編】

2023.02.28

映画が好きな人なら映画を作ってみたいと一度は考えるのではないでしょうか。

TMSに来る映画好きたちもやってみたいと思いつつ
なかなか第一歩が踏み出せなかったなんて経験談をよく聞きます。

中高生、大学生で映画をこれから撮りたい人に、ざっくりとその流れを解説しましょう。

あくまでも学生向けなので、異論は認める!

映画を企画するとは?

企画によってその映画が面白くなるかどうか決まります。

企画がつまらないのに撮影や編集で急に面白くなったりすることはほぼありません。

「撮影時に考えよう」「編集でなんとかしよう」と思っていると
想定の半分くらいのクオリティしか出せません。(経験談)

徹底的に考えて、どんな映画を作りたいのか検討しましょう。

考える要素としては

  • 視聴者層:どんな人たち向けの作品なのか
  • 公開方法:どのように上映・公開するのか
  • 目的:どんな効果を期待して作るのか

をまずはっきりさせ、次に

  • 映画ジャンル:青春ドラマ、ラブストーリー、ホラーなど
  • 映像尺:目的などに合わせて
  • 撮影方法:用意できる機材などによって変わる

などを考えていきます。

「『トップガン』みたいのが撮りたい!」
と、気持ち先行でいらっしゃるのはもちろん分かるのですが、初っ端から一世一代の作品を作ろうとして頓挫するくらいなら気軽に小作品を撮り始めて、「とにかく完成させる」ことを優先したほうが学びになります。

反省材料も得られます。

『トップガン マーヴェリック』(2022)

人に伝わるように企画をまとめる

「さあやるぞ」とシナリオを1ページめから書き始めるのはオチを考えずに4コマ漫画を書き始めるようなものです。

まずはどういうお話のどういう映画なのか、A4用紙1枚で説明できるようにしましょう。

そのためにプロットを作成し、シノプシスを書き、試しにピッチしてみましょう。

  • プロット 全体的な設定や世界観、お話の大まかな筋書き
  • シノプシス 物語を3行程度で説明する紹介文
  • ピッチ 口頭で映画の特徴や魅力について短くプレゼンすること

「舞台となる場所」「主人公の生まれや人柄」「物語中に起こる事件」「周囲の人に起こる変化」

「主人公の成長」「この映画ならではの仕掛け」「クライマックスの見せ方」

などについて簡潔にまとめて話してみて、「おもしろそうだね!」と言ってもらえればその企画で進めましょう。

「よくわからないね…」と言われるようなら要素が多すぎるか焦点がぶれているのかも知れません。

「最悪につまんないね」と言われるなら相手の見る目がないか、本当につまらないんでしょう。

わがままを押し通して出来上がった名作ももちろんありますが、相手が自分より映画に詳しいならここは引き下がったほうが懸命です。

一本も作品を作っていない人のコダワリは、単なる独りよがりの妄想のことが多いです。

予算とスケジュール

映画を撮るにはお金がかかります。

いくらあれば充分というわけでもないので(何億円あっても足りないときは足りない)使える金額の中でどうやりくりしていくかが重要です。

低予算を逆手に取って面白さに昇華できれば最高ですが予算が無い中頑張っているということが伝われば、充分好印象です。

悪い例としては

  • 重要な小道具が明らかに100均(借りてくるとか加工するとかしよう)
  • こだわりの感じられない衣装(キャラクターに合わせた服を選んでる?)
  • ロケ地がすぐそこ(ロケハンした様子が見られない)

予算がないのと手を抜くのは別問題。

映画制作はそもそも面倒くさいんです。

予算を言い訳にせず、面倒がらずに、やれることはやりましょう。

スケジュールについても
自主制作だからといって〆切りを作らずに映画制作に乗り出すといつまで経っても撮影も編集も終わりません。

監督はともかくスタッフやキャストは「いつ終わるの?」と不安になります。

  • 撮影日を決める(みんなが集まれる日を調整する
  • 事前ミーティングやロケハン日を決める(シナリオの〆切りを決める
  • 編集完了日を決める(試写会など日程決めてそこで上映する

これくらいのざっくりでも決めてしまいましょう。

でも完璧じゃなくても大丈夫

撮影の準備をどれだけやったかで撮影、編集のクオリティが上がります。

ただどれだけ完璧を目指してみても、どのみち映画制作にトラブルはついてくるもの。

アイデアがまとまらないから、お金がないから、自信がないからと言っているといつまででも先延ばしにできてしまいます。

〆切りを作って強引にでも前へ進んだほうが事態が好転するかも…。

「時には歩くより、まず走れだ」 『アイアンマン』(2008)

とにかくやってみよう!

次回はプリプロ編です。

続きの回はこちら
» 失敗しない!初めての映画の作り方【プリプロ編】
» スマホでも撮れる!初めての映画の作り方【撮影編・段取りの部】
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