TMS 東京映画映像学校

動画制作を外注するとき注意すること3選

2022.07.15

① 何を作りたいのか?(どれくらいの成果を上げたいのか?)
② 納期はいつぐらいか?
(動画の長さは?)
③ 予算はどれくらいか?

アメリカの調査会社Forrester ResearchのJames L. McQuivey博士が発表した研究結果によると、
「1分間の動画から伝わる情報量は、文字に換算すると180万語、Webページに換算すると約3,600ページ分になる」と言われています。
※株式会社 小西印刷HPより引用
https://www.konishi-p.co.jp/column/2021/12/10/86

企業が商品紹介やお客様の声などを今まで紙媒体で作成していたものを 自社のYoutubeチャンネルを立ち上げて告知することが多くなってきました。
そこで動画制作をするにあたりまずは動画を作れる人間を探します。
一般的にはまずは制作会社などを探すと思いますが、制作会社は銀座の料亭の職人だと思ってください。当然良い作品は作ってもらえますが、費用がかかってしまいます。
会社紹介ビデオや新商品紹介CMなど、ここぞというときに頼むことにするといいでしょう。


それでは「ランサーズ」や「ココナラ」のようなクラウドソーシングに頼むと、 費用もそこまでかかりませんが、このクラウドソーシングにいる人たち(以下 クリエイター)は独学で学びお店を開いているラーメン屋さんみたいな人たちです。
ということは料亭で修業をしていないため向こうも仕事の段取りがわかっていないことがあり、余計なトラブルになることが多々あります。
そうならないためにもクライアントも以下のことをわかったうえで発注をするように、心がければいい動画を作ってもらえるはずです。

①何を作りたいのか?(どれくらいの成果を上げたいのか?)

具体的に何を作りたいのかを明確にしましょう。「なんとなくいいもの」ではなくHPのTOPページに乗せたい動画なのか?
それとも自社のYoutubeチャンネルに週1回投降したいのか?中身を具体的にしましょう。
なぜならば映像を作るのにはものすごい労力と時間がかかります。
あなたが普段見ているYouTube番組を自分で撮影して編集して同じ物を作ろうとすると全ての仕事を止めたとしても最低でも1週間ほどかかると思ってください。
「クリエイター」は知識や経験値があるので1週間はかかりませんが、数日かかるということを理解してあげてください。
ですから途中で変更や追加があると、とんでもない時間と労力が発生します。場合によっては追加予算を請求されてしまいますので気をつけてください。

またその動画によってどれくらいの成果を上げたいのか?を「クリエイター」に伝えてください。それにより作成する内容が変わります。 (やる気とかの問題ではありません)成果によって見せ方が変わってくるためです。
発注する際は 「自社のYouTubeチャンネルで自社商品の紹介を社員が週1回行う。
企画はクライアント、クリエイターとともに会議を最低月に1回行いお互いが出し合う。撮影・編集はクリエイターにお願いする。半年以内にYouTube広告収入を目指し、収入が入ってきたら3割を「クリエイターに還元する。」 みたいに明確にしてあげるとお互いとても楽です。

②納期はいつぐらいか?(動画の長さは?)

先ほどもお話しましたが動画・映像制作はすぐに出来るものではありません。
具体的な納期を指定してあげてください。

一般的なYouTube動画は、打合せ→撮影→編集で1本最低2週間もらえればストレスなく制作できます。
会社の顔となるVPや新商品CMなどは企画段階から取り組み何度もトライ&エラーを繰り返すため数カ月かかると思ってください。
また作品の内容にもよりますが一般的なYouTube動画は10分以内とされています。 それ以上長いと視聴者が最後まで見てくれません。

また長ければ単純に作成する際に労力がかかると思ってください。 そして編集のフィードバック(チェック・修正)が発生します。
ここで最終確認を必ず行ってください。
毎週金曜日に納品を予定している場合は水曜日には上りをチェックし修正依頼を出さないと修正作業に時間がかかるため金曜日にアップロードできません。


またその際は「もう少し楽しい感じ」のような抽象的な指示は避けるようにしてください。「もう少し楽しい感じに」にするためにテロップのフォントをこれに変えてください、音楽をこれにしてください、と具体的に指示を出してあげないと混乱になります。


また編集の直しは2回まで等とお互い決めておくといいと思います。
発注する際は「自社のYouTubeチャンネルで自社商品の紹介を社員が週1回行う。 企画はクライアント、クリエイターとともに会議を最低月に1回行いお互いが出し合う。撮影・編集はクリエイターにお願いする。月に2回収録を行い2本ずつ撮影する。
週1回アップロードするため初回は1カ月前に収録を行う、動画の長さは10分以内とし編集の直しは2回までとする。
半年以内にYouTube広告収入を目指し、収入が入ってきたら3割を「クリエイターに還元する。」みたいに明確にしてあげるとお互いとても楽です。

③予算はどれくらいか?

これは非常に難しい問題です。
会社やクリエイターなどは自分の作品集のデモリールを持っていてこのクオリティならばいくら?みたいな値段表を持っている場合は早いですが一般的なクラウドソーシングに発注する場合編集のみならば1本5,000~20,000が相場でしょうが本来ならば編集だけでも2~3日かかります。
1日単価にすると10,000~15,000もらえれば、クリエイターはがんばって編集してくれると思います。
企画・撮影もお願いするとなると1本50,000~70,000位でしょうか、この金額は安いですが今回レギュラーの週1仕事なのでなんとか受注してくれると思います。制作会社にお願いする場合は最低でもこの倍はかかると思ってください。
支払う側は少しでも安い方がいいと思いますが、これ以下だとクリエイター側にかなりの負担がかかっていると思ってください。
週に1本、月に4本あげるだけでもクリエイターは月の半分の稼働日数を持っていかれると思ってください。
発注する際は「自社のYouTubeチャンネルで自社商品の紹介を社員が週1回行う。


企画はクライアント、クリエイターとともに会議を最低月に1回行いお互いが出し合う。撮影・編集はクリエイターにお願いする。月に2回収録を行い2本ずつ撮影する。
週1回アップロードするため初回は1カ月前に収録を行う、動画の長さは10分以内とし編集の直しは2回までとする。
ギャラは1本50,000とし月末締めで請求書をもらい翌月末に支払う。
インセンティブとして半年以内にYouTube広告収入を目指し、収入が入ってきたら3割を「クリエイター」に還元する。
上記をまとめ以下に制作前に交わす発注覚書として流用してもらえればとおもいます。

発注覚書

概要:〇〇社のYouTubeチャンネルの番組制作

内容:自社商品を社員が紹介する

更新頻度:週1回 毎週金曜日の18:00

予算:1本あたり50,000(税別)とする

支払:請求書扱い。末締め、翌月末入金

企画内容:クライアントとクリエイターが企画会議を月に1回行い次月分の収録内容を決める。動画1本の長さは10分以内とする

撮影:クリエイターが月に2回2本ずつ収録する。
撮影日時は隔週〇曜日の12時~18時とする。
機材はクリエイターが持っている機材を使用し、足りない機材はレンタルしてもらう。レンタル品は別途経費清算 
カメラ台数が増えるなどで撮影アシスタントが必要な場合は協議する。

撮影場所:クライアントの社内の会議室とする。
機材運搬などでタクシー代が発生する場合は別途経費精算とする。

編集:毎週金曜日にアップロードするために水曜の朝までにクリエイターはクライアントに編集上りを提出する。
クライアントは当日中に具体的な指示のもとフィードバックを行う。修正編集直しは2回までとする。

納品:毎週金曜日の10:00にデータ納品とする

備考
チャンネルは半年以内にYouTube広告収入を目指し、収入があった場合3割を「クリエイター」に還元する
YouTubeチャンネルの運営はクライアントが行う。
クリエイターが行う場合は別途協議する。
その他撮影・編集に関して経費が発生する場合は協議する。


決めることたくさんありますね。でもこれくらいを明記してお互いが理解していればストレスなく仕事ができると思います。特にこの中でも、

①何を作りたいのか?

②納期はいつぐらいか?

③予算はどれくらいか?

この3つは注意して必ず決めてもらって作品制作をしてもらえればと思います。

クリエイター側は最低限この3つが決まらないと仕事をスタートさせない方が、賢明だと思います

がんばりましょう。

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