映画・映像業界で求められている人材TOP3
今回は今現在の映画・映像業界で求められている人材、こんな人と仕事をしたいと思われる人材はどんな人材なのか?をランキング形式で紹介していきたいと思います。
それではさっそく
第3位 映画・映像を制作できる知識
当たり前のことですが病気や怪我の適切な治し方を知らないお医者さんがいないように映画・映像の作り方を知らない人は監督にはなれません。
働き出せば研修があると思う人もいると思いますが目の前に撮影現場があるので働いている周りの人たちは「新人は基礎的なことは理解している。」という設定で話は進みます。
そもそも何も知らないド素人の人は採用されることはあまりありません。
基礎的な事として制作・演出部だとすると簡単に単語だけでも上げると「企画書の作り方」、「シナリオの書き方」、「画コンテの書き方」、「香盤表の作り方」、 「ロケハンの方法」、「ロケ弁の発注方法」、「撮影時の演者への対応方法」、「演技付けの仕方」、「撮影素材の管理方法、」「納品フォーマット」、「MA」等あげるときりがありません。
ここに挙げた単語を全部理解してすぐに実践できるというレベルまでは必要ないですがこの単語が何を意味しているのか?くらいは理解できていないと仕事としてついていくことができません。YouTubeなどである程度は勉強できると思いますが香盤表の作り方などは地味なため再生回数が伸びないのが見えるのであまりないと思います。
またいくら動画で見たからと言って自分で仕込みから完成までを何度か行うPDCAのサイクルを回してみないと全体の流れを理解することは難しいと思います。
そこで専門的に学べるワークショップやスクールに行って最低限の基礎は身に着けておくのをおススメします。
2位 仕事としての映画・映像制作を理解しているか?
基本的に映画・映像制作の仕事は自分の作りたいものを作るという仕事ではなく、クライアント(お金を出している人)の要望を叶えるというのが仕事になります。
クライアントの要望を叶えながら自分のやりたいこともうっすら入れ込むのが、この仕事の醍醐味です。自分でお金を出して自分の作りたいものを作るのというのは自主映画であり、プロの仕事だとは思っていません。
具体的な例を挙げると映画などは主演俳優の事務所がクライアントとしてお金を出している場合があります。そうなるとこの主演俳優を映画内で何分何秒出演させて欲しいとオファーが来ます。
メーカーがクライアントの場合はメーカーの商品10種類を映画内で出して欲しい。とオファーが来ます。そのようないくつものハードルをクリアしながら見た人を楽しませる作品をつくることは容易なことではありません。
そのためには多方面に向けて気を使うことができる仕事としての実務能力が求められます。
数年前に卒業した卒業生がこの前話していたのですが、彼が働いている会社で人が足りないので映画の作り方が学べる大学の大学院まで進んだ学生を採用しました。
大学院まで行っているだけあって簡単な撮影、編集などそつなくこなすのですが、「遅刻をする。」「メールの返信がない。」「メモを取らない。」が頻発したためクライアントからNGが出てしまい、辞めてもらうことになったそうです。
以上のことから映画・映像を制作できる知識より、仕事としての映画・映像制作を理解しているか?の方が重要になってきます。
1位 作り手としてコミュニケーション能力があるのか?
これを読んでいる人は「またこれか…?」と思うかもしれません。
そもそも「コミュニケーション能力とは何でしょう?」
「コミュ障」なんて言葉がありますが、ウェイウェイ騒げたり、誰かれかまわず仲良くできる能力は、コミュニケーション能力なのでしょうか? じつは違うのではないでしょうか…?
よく学生と話すことがありますが、若い子が指す「コミュニケーション能力」と 映画・映像業界で使う「コミュニケーション能力」には大きな違いがあると感じています。 果てしてコミュニケーションの本質とはなんでしょう。 それは「伝わる」ことができるのか?それとも「伝える」ことができるのか?です。
話せばいい、見せればいい、聞かせればいい。という「伝わる」 でもこれだけでは足りないのです。それだけでは他人は動かないからです。
「伝わる」だけなら簡単です。情報を整理して相手と共有できればよいのです。
学生たちの言う「コミュニケーション能力」はこの「伝わる」ができるようになる。 ということです。
私たちはモノ作りをしなくてはなりません。「コミュニケーション能力」は「伝える」ことが出来ないといけません。 「伝える」は人を動かさなくてならず、感情を作品に入れないと相手に伝わりません。 これは「論理によって話は伝わらない」と言い換えもできます。
ロジックによって伝わる人は稀です。理屈に期待してはいけません。 数学者よりも音楽家の方が表現に秀でているのと同様です。
人は高校の物理の先生よりもパンクロックから何かを教わるのです。 つまり「伝えたいこと」があるときは、感情を揺さぶる何かが無いと「伝える」ことができません。
人は感情を乗せて「伝える」ことが出来た時にようやく動きます。 コミュニケーションの難しさはこの「伝える」ことだと思います。 そして話し手が相手の感情に「伝える」という本質が分かっていると、あらゆるシーンで成果が出ます。世の中で成功していると言われている人たちどんな職業の仕事でも成果が出ています。教師、営業、作家、音楽、お笑い、そして映画・映像制作。伝わって、相手が初めて動くことを知っています。
優れた表現者が尊敬を集めるのはその影響力の由縁です。
「コミュニケーションとは何だ?」という問いに答えはないです。でも強いて言うなら、「相手のことを考え、思いやる姿勢」のことではないでしょうか。「自分の言いたいことを喋るだけ」というレベルの表現ではどうにも届きません。
相手に「伝える」ことが出来て初めてコミュニケーションが取れることになるのです。 この業界でやっていくうえで最初から「作り手としてのコミュニケーション能力」を身につけるのは簡単ではありませんが「伝わる」ことを志として抱いてもらうだけで必ず「伝わる」ことが出来るようになります。
そして「伝える」ではなく「伝わる」ことができる作り手に将来なってください。
そんな人材を求めています。
引用 平井拓郎 コミュニケーション能力の本質
https://note.com/takuro_/n/n1ba3c9f61abb